西洋美術史への扉:南仏の光、ゴッホとゴーギャンのアルル(5月30日2026年開催)

西洋美術史への扉「南仏の光、ゴッホのアルル」

2026年5月30日(土)、しのざき文化プラザ主催による西洋美術史講座「西洋美術史への扉」にて、「南仏の光、ゴッホのアルル ~ゴーギャンとキャンバスを並べた季節~」を開催しました。

本講座では、フィンセント・ファン・ゴッホが1888年に南仏アルルで制作した作品を中心に、南仏の光、日本美術への憧れ、黄色い家、ひまわり、そしてゴーギャンとの関係をたどりました。

パリで印象派や新印象派の色彩に触れたゴッホは、さらに強い光と色を求めて南へ向かいます。アルルで彼が見出したのは、南仏の明るい陽光だけではありませんでした。そこには、日本への憧れ、画家たちの共同生活への夢、そして新しい絵画を作ろうとする強い意志が重なっていました。

講座では、アルル時代のゴッホ作品を通して、彼がこの時期に何を求め、どのように自分の絵画を展開していったのかを考えました。

講座の主な内容

南仏アルルへの旅
1888年、ゴッホはパリを離れ、南仏アルルへ向かいました。講座では、ゴッホがなぜ南仏に向かったのかを、パリでの経験、色彩への関心、日本美術への憧れと結びつけながら紹介しました。

南仏の光と日本への憧れ
ゴッホにとってアルルは、単なる南仏の町ではなく、自分が理想とした「日本」に重ねられる場所でもありました。明るい光、鮮やかな色彩、平面的な画面構成を手がかりに、ゴッホがアルルに見ていた理想を考えました。

黄色い家と共同制作の夢
ゴッホはアルルで「黄色い家」を拠点に、画家たちの共同生活を夢見ました。とりわけゴーギャンとの共同制作は、彼にとって大きな希望であり、同時に緊張をはらんだ出来事でもありました。

ひまわりとアルルの絵画
《ひまわり》をはじめとするアルル時代の作品を通して、ゴッホが色彩によってどのように感情や理想を表そうとしたのかを見ていきました。

ゴーギャンとキャンバスを並べた季節
アルルで短い時間だけ制作を共にしたゴッホとゴーギャン。講座では、二人の関係を単なる人生の逸話としてではなく、それぞれの絵画観の違いとして読み解くことを目指しました。

ゴッホ講座の様子。受付開始後、当初予定を上回る多くのお申し込みをいただき、ゴッホのアルル時代への関心の高さを感じる講座となりました。

主に取り上げた作品

  • 《ラングロワ橋》
  • 《収穫》
  • 《種をまく人》
  • 《夜のカフェ》
  • 《夜のカフェテラス》
  • 《ひまわり》
  • 《黄色い家》
  • 《ゴッホの椅子》
  • 《ゴーギャンの椅子》

開催概要

講座名:西洋美術史への扉|南仏の光、ゴッホのアルル ~ゴーギャンとキャンバスを並べた季節~
日時:2026年5月30日(土)14:00〜15:15
会場:しのざき文化プラザ 3階 講義室
主催:しのざき文化プラザ
講師:長谷川浩一

参加状況

本講座は受付開始後、多くのお申し込みをいただきました。当初定員を上回る関心が寄せられたため、会場設営を調整し、受け入れ枠を拡大して開催されました。

当日は多くの方にご参加いただき、ゴッホのアルル時代に対する関心の高さをあらためて感じる機会となりました。

講座を終えて

ゴッホは、しばしば「苦悩の画家」として語られます。しかし、アルル時代の作品を見ていくと、そこには苦悩だけではなく、光、色彩、慰め、共同制作への夢、そして新しい絵画を作ろうとする強い意志がありました。

本講座では、ゴッホの人生の劇的な逸話だけでなく、彼が作品の中で何を見ようとし、何を表現しようとしていたのかに焦点を当てました。

南仏の光のなかで、ゴッホは何を見ていたのか。ゴーギャンとキャンバスを並べた季節は、彼の絵画に何をもたらしたのか。そうした問いを通して、アルル時代のゴッホをあらためて見つめる時間となりました。

本講座は、6月27日開催の「南仏アルルの名残り ゴッホとゴーギャン、それぞれの道」へと続くシリーズ第1回としても位置づけています。