西洋美術史への扉|南仏アルルの名残り——ゴッホとゴーギャン、それぞれの道(7月18日2026年開催)

南仏アルルの名残り——ゴッホとゴーギャン、それぞれの道

【講座を開催しました】
本講座は、台風接近の影響により、当初予定していた2026年6月27日(土)から延期し、2026年7月18日(土)に開催しました。

2026年7月18日(土)、しのざき文化プラザ(東京・江戸川区)にて、西洋美術史講座「南仏アルルの名残り——ゴッホとゴーギャン、それぞれの道」を開催しました。

本講座は、5月30日に開催した「南仏の光、ゴッホのアルル」に続く、ゴッホとゴーギャンをめぐるシリーズ第2回です。

日程変更後も多くの方に足を運んでいただき、ゴッホとゴーギャンがアルルを離れた後、それぞれどのような絵画世界へ進んでいったのかを、作品を見ながらたどりました。


講座概要

講座名
南仏アルルの名残り——ゴッホとゴーギャン、それぞれの道

開催日
2026年7月18日(土)10:30〜11:45

※台風接近の影響により、当初予定していた2026年6月27日(土)14:00〜15:15から延期して開催しました。

会場
しのざき文化プラザ 3階講義室
東京都江戸川区篠崎町7-20-19


講座のテーマ

ゴッホとゴーギャンの関係は、しばしばアルルでの共同生活や耳切り事件と結びつけて語られます。

しかし、今回の講座で中心に置いたのは、二人の人生の逸話ではなく、アルルを離れた後、それぞれが作品の中で何を試みたのかという問題でした。

アルルで交差した短い共同制作の後、二人は別々の道へ進んでいきます。

ゴッホはサン=レミ、そしてオーヴェールへ。

ゴーギャンは再びブルターニュへ向かい、その後、タヒチへ渡りました。

二人は現実の風景や自然から出発しながら、まったく異なる方法で新しい絵画を作り出そうとします。

ゴッホは、目の前の自然を見つめながら、色彩や筆触によって、その中に感じた生命力や感情を描きました。

一方のゴーギャンは、現実の風景に記憶、想像、信仰、神話を重ね、実際には存在しなかった場面を絵画の中に作り出していきました。

講座風景

講座で紹介した主な作品

ゴッホについては、サン=レミ時代を中心に、次の作品を紹介しました。

  • 《糸杉のある麦畑》
  • 《カラスのいる麦畑》

ゴーギャンについては、ブルターニュからタヒチへ至る作品の変化をたどりました。

  • 《黄色いキリスト》
  • 《イア・オラナ・マリア》
  • 《アレアレア》
  • 《ナヴェ・ナヴェ・モエ》
  • 《われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか》

作品を一枚ずつ独立して見るのではなく、アルルで出会った二人が、その後どのように異なる絵画世界へ向かったのかを比較しながら見ていきました。


二人はどこで分かれたのか

ゴッホとゴーギャンは、ともに目の前の現実をそのまま再現することには満足していませんでした。

しかし、新しい絵画へ向かう方法は大きく異なっていました。

ゴッホは、自然を何度も見つめ、その中にある生命力を色彩と筆触によって強めていきます。

ゴーギャンは、見たものをそのまま描くのではなく、記憶や想像、信仰や神話を画面に重ね、現実とは異なる世界を作り出そうとしました。

自然とは強く結ばれながら、人間との間にはどこか距離を残したゴッホ。

現実の土地を離れながら、自らの想像の中に新しい世界を作ろうとしたゴーギャン。

二人の違いを見ることによって、19世紀末の絵画が、印象派以後の新しい表現へどのように進んでいったのかを考えました。


開催を終えて

今回は、台風接近によって一度延期となり、開催時間も午後から午前へ変更されました。

当初の申し込みでは定員に達し、キャンセル待ちも発生していましたが、延期後の日程には参加が難しくなった方もいらっしゃいました。

そのような状況のなかでも、50名以上の方にご参加いただき、最後まで作品を見ながら講座を進めることができました。

前回のゴッホ講座から続けて参加された方だけでなく、今回初めて参加された方にも、アルル以後のゴッホとゴーギャンの違いを考えていただく機会となりました。

ご参加いただいた皆さま、また延期に伴う日程変更にご対応いただいた皆さまに、心より御礼申し上げます。


講座後の展開

今回の講座で扱った作品やテーマは、今後、EAS資料室、講座後レポート、noteで順次紹介していく予定です。

講座全体の流れを振り返る「講座のーと」に加え、ゴーギャンの作品を一枚ずつ見直す美術史エッセイ「僕がわからなかったアートの話」でも、関連する作品を取り上げます。