西洋美術史への扉「モネの名画と日本美術の響き」
2025年5月24日(土)、しのざき文化プラザ(東京江戸川区)主催による西洋美術史講座「西洋美術史への扉」にて、「モネの名画と日本美術の響き」を開催しました。
本講座では、クロード・モネの作品を時系列でたどりながら、印象派の誕生、光と時間の表現、日本美術との関係、そして晩年の《睡蓮》連作へと至る歩みを紹介しました。
モネは、移り変わる光や大気の効果をキャンバスにとどめようとした画家です。同時に、浮世絵をはじめとする日本美術への関心も深く、構図や空間のとらえ方において、西洋絵画とは異なる視点を取り入れていきました。
講座では、《ラ・グルヌイエール》《印象・日の出》《ルーアン大聖堂》連作、《積みわら》連作、そしてジヴェルニーの庭を描いた《睡蓮》連作などを取り上げ、モネがどのように「光」「時間」「水面」「空間」を描いていったのかを見ていきました。
講座の主な内容
印象派誕生前夜
モネが印象派の中心的な画家となる以前の作品を手がかりに、戸外制作や水辺の表現、近代的な余暇の場面を紹介しました。
印象派の誕生とモネの革新
《印象・日の出》を中心に、印象派という名称が生まれた背景と、モネがそれまでの絵画とどのように異なる表現を切り開いたのかを解説しました。
光と時間の表現
《積みわら》や《ルーアン大聖堂》連作を通して、同じ対象を時間や天候の変化によって描き分けるモネの試みを見ていきました。
日本美術との響き
浮世絵やジャポニスムの影響を手がかりに、モネの構図、色彩、空間表現に見られる日本美術との関係を考えました。
ジヴェルニーと《睡蓮》連作
晩年のモネが自ら造り上げた庭と池を舞台に、《睡蓮》連作がどのように展開していったのかを紹介しました。
主に取り上げた作品
- 《ラ・グルヌイエール》1869年、メトロポリタン美術館
- 《印象・日の出》1872年、マルモッタン・モネ美術館
- 《積みわら》連作
- 《ルーアン大聖堂》連作
- 《アンティーブ岬》1888年、コートールド・ギャラリー
- 《睡蓮の池》連作
- 《睡蓮》大装飾画、オランジュリー美術館
- 歌川広重、葛飾北斎などの浮世絵作品
開催概要
講座名:西洋美術史への扉|モネの名画と日本美術の響き
日時:2025年5月24日(土)14:00〜15:15
会場:しのざき文化プラザ 3階 講義室
主催:しのざき文化プラザ
講師:長谷川浩一
講座を終えて
モネは、印象派を代表する画家として広く親しまれています。しかし、その作品をたどっていくと、単に「きれいな光の絵」を描いた画家ではなく、光、時間、水面、空間を通して、見ることそのものを問い直した画家であったことが見えてきます。
また、モネの作品には、日本美術との出会いも重要な意味を持っています。浮世絵に見られる大胆な構図や平面的な空間感覚は、モネの絵画世界を考えるうえで大切な手がかりとなります。
本講座では、モネの代表作を通して、印象派の魅力とともに、西洋絵画と日本美術が響き合う豊かな関係を考えることを目指しました。









