西洋美術史サロン: クロード・モネ《かささぎ》と冬の景色(12月20日2025年開催)

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西洋美術史サロン「クロード・モネ《かささぎ》と冬の景色」

2025年12月20日(土)、西洋美術史サロンにて、クロード・モネ《かささぎ》を取り上げました。

本サロンでは、モネが1868年から1869年にかけて描いた雪景色の名作《かささぎ》を手がかりに、冬の光、雪の色彩、影の階調、そして印象派へとつながる「見ること」の変化を読み解きました。

《かささぎ》は、一見すると静かな雪景色を描いた作品です。しかし、画面を丁寧に見ていくと、雪は単なる白ではなく、青、紫、淡いオレンジ、灰色を含んだ豊かな光の場として描かれていることがわかります。

柵にとまる一羽のかささぎは、静寂の中に立ち上がる小さな生命です。画面の多くは雪に覆われていますが、この小さな鳥の存在によって、冬の光と沈黙の空間に、かすかな動きが生まれています。

西洋美術史サロンの様子。モネ《かささぎ》を中心に、雪景色に広がる光、影の色彩、冬の静けさを丁寧に見ていきました。少人数ならではの落ち着いた雰囲気の中で、一枚の作品をじっくり味わう時間となりました。

今回のテーマ:雪か、それとも光か

本回の中心となる問いは、「モネはこの絵で何を描いたのか。雪か、それとも光か」というものでした。

雪は白一色ではありません。光の強さや角度によって、白は青みを帯び、灰色に変わり、影へと移っていきます。雪景色は、光の変化を最もよく映し出す風景の一つでもあります。

モネは《かささぎ》において、雪そのものを描くだけでなく、雪に反射し、広がり、弱まりながら変化していく光を描こうとしました。

サロンで扱った主なポイント

  • 《かささぎ》における雪の白と色彩の変化
  • 影を黒ではなく、色の階調として描く方法
  • 短い筆触によって光の変化を表すモネの試み
  • 雪景色に漂う静けさと時間の感覚
  • 印象派へとつながる「一瞬の光」を描く視点

作品について

  • 作品名:《かささぎ(La Pie)》
  • 作者:クロード・モネ
  • 制作年:1868–1869年
  • 制作地:ノルマンディー地方
  • 所蔵:オルセー美術館(パリ)

開催概要

講座名:西洋美術史サロン|クロード・モネ《かささぎ》と冬の景色
副題:冬の静寂と光の詩——印象派のはじまりに寄せて
日時:2025年12月20日(土)14:00〜15:00
会場:しのざき文化プラザ 3階 会議室
形式:少人数制サロン
講師:長谷川浩一

サロンを終えて

《かささぎ》は、冬の静かな風景を描いた作品でありながら、そこには印象派へとつながる重要な視点が含まれています。

モネが描いたのは、単なる雪景色ではありません。雪の上に広がる光、影の中に潜む色、そして一瞬ごとに変わっていく空気の表情です。

本サロンでは、一年の終わりにふさわしい静かな作品を通して、モネがどのように「光を見る」画家になっていったのかを考えました。

この回は、翌月に取り上げた《サン=ラザール駅》にもつながる内容となりました。《かささぎ》では雪の面に広がる光を、《サン=ラザール駅》では蒸気と大気の中で揺れ動く光を見ていくことで、モネの階調表現の展開を考える流れが生まれました。